こんにちは!
福岡で宅地建物取引士として不動産実務に携わっている「もっさん」です。
大雨や土砂災害で自宅が被害を受けたとき
「何から手を付ければいいの?」
「家に戻って片付けても大丈夫?」
「保険や支援金は使える?」
このような不安で頭がいっぱいになると思います。
正直、災害直後に書類やお金のことまで冷静に考える余裕なんてないですよね。
もっさんも不動産に携わる者として、被害に遭った方へ軽々しく「絶対に大丈夫」とは言えません。
住宅の被害状況や自治体の支援制度によって、利用できる制度が違うからです。
ただし、手続きには進める順番があります!
この記事では、土砂災害や大雨で住宅が被害を受けたときに確認したいことを、できるだけ分かりやすく整理します。
結論|土砂災害後はこの順番で進めよう
最初に確認したい順番はこちらです。
- 自分と家族の安全を確保する
- 片付ける前に被害状況を撮影する
- 市区町村へ罹災証明書を申請する
- 保険会社や共済へ連絡する
- 公的支援制度を確認する
- 修理・解体・住み替えを検討する
- 税金の控除や減免を確認する
すべてを一日で終わらせる必要はありません。
まずは安全を確保して、できることから一つずつ進めてください!
1.まずは自分と家族の安全を最優先にする
大雨が止んでも、すぐに自宅へ戻るのは危険です。
地盤が緩んでいると、時間がたってから土砂崩れが発生することがあります。
自宅周辺に次のような異変がある場合は近づかないでください。
- がけや斜面にひび割れがある
- 小石や土が落ち続けている
- 地面から水が噴き出している
- 木や電柱が傾いている
- 建物に大きな傾きや亀裂がある
- ガスの臭いがする
- 電気設備が水に浸かっている
避難指示が解除されていない場合は、自分の判断だけで戻らないことが大切です。
建物へ入ってよいか判断できない場合は、市区町村や消防へ相談しましょう。
家や家具も大切です。
でも、命より優先できるものはありません!
2.片付ける前に被害状況を写真で残す
安全が確認できたら、片付けを始める前に被害状況を撮影します。
罹災証明書の申請や保険金請求で、写真が重要な資料になることがあるからです。
撮影しておきたい写真はこちらです。
- 建物全体を四方向から撮影した写真
- 外壁や基礎のひび割れ
- 土砂が流れ込んだ場所
- 床や壁の浸水跡
- 壊れた設備や家財
- 車や物置などの被害
- 浸水した高さが分かる写真
- 修理や撤去をする前の状態
浸水した高さを撮影するときは、メジャーや定規を一緒に写すと分かりやすくなります。
全体が分かる「引きの写真」と、損傷部分が分かる「近くの写真」の両方を残しましょう。
写真データは消えてしまうと困るので、クラウドや別の端末にも保存しておくと安心です。
もっさんの本音としては、災害直後に「写真を撮ってから片付けよう」と考えるのは本当に難しいと思います。
泥や壊れた家具を一刻も早く片付けたいですよね。
ただ、後から被害状況を説明できず困る可能性があります。
安全に撮影できる範囲だけでも記録を残しておきましょう。
3.市区町村へ罹災証明書を申請する
罹災証明書とは、災害によって住宅が受けた被害の程度を市区町村が証明する書類です。
自治体による調査をもとに、次のような区分が判定されます。
- 全壊
- 大規模半壊
- 中規模半壊
- 半壊
- 準半壊
- 準半壊に至らない一部損壊
この判定は、支援金・税金の減免・公営住宅・住宅の応急修理などを利用するときの判断材料になります。
申請窓口や必要書類は自治体によって異なります。
福岡市で風水害による被害を受けた場合は、各区役所が主な相談窓口です。
火災による被害は消防署が担当するため、災害の種類によって窓口が変わる点にも注意してください。
被害が集中すると、現地調査や証明書の交付まで時間がかかる場合があります。
早めに自治体のホームページや相談窓口を確認しましょう。
4.火災保険・地震保険・共済へ連絡する
土砂災害だからといって、すべて火災保険の対象になるとは限りません。
大雨や台風による土砂崩れは、火災保険に「水災補償」が付いていれば補償対象になる可能性があります。
一方で、地震を原因とする土砂崩れや地すべりは、火災保険ではなく地震保険の確認が必要です。
契約内容によって次の条件が異なります。
- 水災補償の有無
- 建物と家財の補償範囲
- 免責金額
- 保険金が支払われる損害基準
- 臨時費用などの特約
- 保険金請求の期限や必要書類
保険証券が見つからなくても、契約している保険会社や代理店へ相談できる場合があります。
被害が分かった段階で早めに連絡しましょう。
修理業者と契約する前に、保険会社へ確認しておくことも大切です。
「保険を使えば無料で修理できます」
「代わりに保険金を請求します」
このように勧誘する業者とは、その場で契約しないでください。
保険金が支払われるかを決めるのは修理業者ではなく保険会社です!
高額な手数料や解約金を請求されるトラブルもあるため、まずは加入先の保険会社へ直接相談しましょう。
5.利用できる公的支援制度を確認する
災害の規模や住宅の被害程度によっては、公的な支援制度を利用できる場合があります。
主な制度はこちらです。
被災者生活再建支援金
対象となる災害で住宅が全壊するなど、生活基盤に大きな被害を受けた世帯へ支給される制度です。
複数人世帯では、住宅の被害程度と再建方法に応じて最大300万円が支給される場合があります。
ただし、すべての災害やすべての被災世帯が対象になる制度ではありません。
単身世帯は支給額が異なります。
住宅の応急修理制度
災害救助法が適用された地域では、被害を受けた住宅の屋根・壁・床・水回りなど、日常生活に必要な部分の応急修理を支援してもらえる場合があります。
修理前の申請が必要になることもあるため、工事契約を結ぶ前に自治体へ確認してください。
災害援護資金などの貸付制度
一定以上の被害を受けた世帯を対象に、生活再建に必要な資金を借りられる場合があります。
所得制限・被害の程度・返済条件などがあるため、給付金との違いを確認しましょう。
災害復興住宅融資
住宅金融支援機構では、罹災証明書を交付された方を対象に、住宅の建設・購入・補修に利用できる融資を取り扱っています。
すでに復旧工事が終わっている場合など、利用できないケースもあります。
工事を始める前に相談することが大切です。
支援制度は自治体や災害ごとに内容が変わります。
ニュースやSNSだけで判断せず、住んでいる市区町村の被災者支援窓口で確認してください。
6.修理・解体・住み替えは急いで決めない
建物に大きな被害が出ると
「すぐに修理しなければ!」
「もう解体するしかないのかな」
と焦ってしまうと思います。
しかし、罹災証明書の調査・保険会社の確認・自治体の支援制度を確認する前に工事を進めると、支援を受けにくくなる可能性があります。
特に解体は慎重に判断してください。
大規模な災害では、自治体が被災家屋を解体・撤去する「公費解体」を実施する場合があります。
ただし、すべての災害で実施される制度ではありません。
対象となる被害区分や申請期限も自治体によって異なります。
自治体の方針を確認せずに自費で解体すると、費用の償還を受けられない可能性があります。
解体する前に次の点を確認しましょう。
- 公費解体が実施されるか
- 自費解体費用の償還制度があるか
- 罹災証明書の判定
- 保険会社の現地確認
- 住宅ローンの残高
- 抵当権者である金融機関への連絡
- 解体前後に必要な写真や書類
- 家財や災害廃棄物の処分方法
建物に入ることが危険な場合は、自分で荷物を取りに行かないでください。
7.被災した家は売却できる?
土砂災害で被害を受けたからといって、土地や建物の価値が必ずゼロになるわけではありません。
ただし、通常の不動産売却より確認事項が増えます。
- 建物を修理して売る
- 建物を解体して土地として売る
- 現状のまま売る
- 自分で再建して住み続ける
- 他の地域へ住み替える
どの方法がよいかは、建物の損傷・土地の安全性・住宅ローン残高・保険金・修理費・解体費によって変わります。
土砂災害警戒区域や特別警戒区域に指定されている場合でも、一律に売却できないわけではありません。
一方で、建築制限や安全対策が必要になる可能性があります。
実際に発生した被害や修理履歴についても、買主へ適切な説明が必要になる場合があります。
まずは自治体や専門家による安全確認を受け、修理費・解体費・売却価格を比較してから判断しましょう。
査定額だけを見て即決するのではなく、最低でも複数の選択肢を比べてください。
8.税金が軽減される場合もある
住宅や家財が災害によって損害を受けた場合は、確定申告で雑損控除を利用できる可能性があります。
一定の条件を満たす場合は、災害減免法による所得税の軽減・免除を選べることもあります。
雑損控除と災害減免法は、同じ損失について両方を同時に利用する制度ではありません。
所得や損害額によって有利な制度が変わります。
次の書類はできるだけ保管しておきましょう。
- 罹災証明書
- 被害状況の写真
- 修理・解体・片付けの領収書
- 保険金の支払通知書
- 被害を受けた家財の一覧
- 住宅や家財の取得時期が分かる資料
判断が難しい場合は、税務署や税理士へ相談してください。
賃貸住宅が被災した場合はどうする?
賃貸住宅に住んでいる方は、まず大家さんや管理会社へ連絡します。
建物の修理や安全確認を、自分だけの判断で進めないようにしましょう。
家財に被害が出た場合は、自分が加入している火災保険や家財保険の補償内容を確認します。
一時的に住めなくなった場合のホテル代や仮住まい費用が、特約の対象になることもあります。
契約書・保険証券・管理会社からの連絡は保存しておきましょう。
もっさんの本音|一度に全部決めなくて大丈夫です
災害で家が被害を受けると、建物だけではなく生活そのものが一気に変わってしまいます。
不動産の仕事をしているもっさんでも、自分の家が突然被災したら冷静ではいられないと思います。
だからこそ
「今日中に全部決めなければ」と思わないでください。
安全を確保する
写真を残す
自治体と保険会社へ連絡する
まずはここまででも十分です!
分からないことは、分からないまま相談して大丈夫です。
不安な状況につけ込んで契約を急がせる業者もいます。
その場で署名や支払いを求められても、一度家族や自治体へ相談してください。
まとめ|安全確保と記録から一つずつ進めよう
土砂災害で住宅が被害を受けたときは、次の順番で進めましょう。
- 自分と家族の安全を確保する
- 片付け前に被害写真を残す
- 市区町村へ罹災証明書を申請する
- 保険会社へ連絡する
- 公的支援制度を確認する
- 修理・解体・売却を比較する
- 税金の控除や減免を確認する
支援制度や保険金は、すべての方が同じ条件で利用できるわけではありません。
災害の種類・自治体・被害程度・保険契約によって対応が変わります。
焦って一人で判断せず、公的な窓口と加入している保険会社へ相談してください。
この記事が、次に何をすればよいか分からず困っている方の小さな道しるべになればうれしいです。
一つずつで大丈夫です!
参考にした公的情報
- 内閣府|被災者支援に関する各種制度
- 内閣府|被災者生活再建支援制度
- 福岡市|り災証明書・り災届出証明書
- 福岡市|被災時に活用できる制度
- 日本損害保険協会|自然災害による保険金請求手続き
- 住宅金融支援機構|災害復興住宅融資
- 国税庁|災害による損害と雑損控除
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被災後に住み替えや引っ越しが必要になった方はこちらも参考にしてください。



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