オフィス移転でやることチェックリスト|手続き・費用・スケジュールを宅建士が解説

オフィス移転のやることチェックリストを解説する現役宅建士もっさん 賃貸有益情報

こんにちは!福岡の不動産会社で働く現役宅建士のもっさんです。

オフィス移転というと、新しい物件を探して荷物を運べば終わりだと思われがちです。

ところが実際には、現在の契約の解約、新しい物件の契約、内装工事、通信回線、原状回復、行政手続きまで同時に進めなければいけません。

事業用物件の相談を受けていると、

「先に新しい物件を探してしまった」

「旧オフィスの解約予告期間を確認していなかった」

というケースもあります。

新しいオフィスが決まったのに旧オフィスの家賃も続く…。これはかなり焦りますね(泣)

この記事では、オフィス移転でやることを時系列で整理します。
費用の考え方やB工事、移転後の届出まで分かりやすく解説するよ!

結論|オフィス移転は現在の契約書確認から始める

オフィス移転で最初に行うことは、物件探しではありません。

まず現在の賃貸借契約書を開き、次の項目を確認してください。

  • 解約予告期間
  • 解約通知の方法
  • 原状回復工事の範囲
  • 指定工事業者の有無
  • 明け渡し期限
  • 保証金・敷金の返還条件
  • 中途解約や違約金の特約

事業用賃貸では、解約の数か月前までに通知が必要な契約があります。期間や通知方法は契約ごとに異なるため「たぶん6か月前だったはず」で進めるのは危険です。

もっさんとしては、新しい物件を見る前に旧オフィスの契約を確認してほしいんだよね。

ここを飛ばすと、二重家賃や原状回復の予定外の出費につながります。

オフィス移転のスケジュールとチェックリスト

オフィス移転は、規模や契約条件によって必要な期間が変わります。

一般的な中小規模の移転であれば、6か月程度を一つの目安にしつつ、解約予告期間から逆算して計画しましょう。

時期の目安主に行うこと
6か月以上前現契約の確認、移転目的と予算の決定、担当者の選定
5~6か月前希望条件の整理、物件探し、内覧
3~5か月前申込み、条件交渉、契約、内装計画
2~3か月前通信回線、電話、内装、引越し業者の手配
1か月前荷造り、処分品の整理、取引先への案内
移転当日搬出入、設備確認、旧オフィスの状況確認
移転後本店移転登記、税務・社会保険関係の届出
明け渡しまで旧オフィスの原状回復、立会い、鍵の返却

ネット回線や内装工事は、希望日に間に合わないことがあります。

「入居開始日=すぐ営業できる日」とは限りません。

移転初日に電話もインターネットも使えない状況は、想像するだけで怖いですよね……。

新しい物件の契約が決まったら、通信会社と工事業者へ早めに相談してください。

新しいオフィスを探す前に決める条件

物件探しを始める前に、社内で条件の優先順位を決めます。

確認項目主なチェック内容
エリア従業員の通勤、取引先からのアクセス
広さ現在の人数、採用予定、会議室の数
利用時間土日や夜間も入館できるか
電気容量パソコン、サーバー、複合機に対応できるか
通信回線希望する光回線を引き込めるか
空調個別空調か、利用時間に制限があるか
搬入経路エレベーターの大きさ、搬入口の使用条件
看板社名表示や外部看板を設置できるか
工事内装変更の範囲、指定業者の有無
駐車場社用車や来客用区画を確保できるか

家賃と立地だけで決めると、入居後に使いにくさが見つかることがあります。

特に空調、電気容量、通信回線、搬入経路は図面だけでは判断しにくい項目です。

内覧時に管理会社へ確認しましょう。

店舗を含めて出店エリアを検討している方は、次の記事も参考にしてください。

福岡で店を出すならどこ?現役宅建士が考える開業エリア

オフィス移転で発生する主な費用

オフィス移転の費用は、会社の人数や広さ、内装の内容によって大きく変わります。

根拠が曖昧な坪単価だけで予算を決めず、次の項目ごとに見積もりを取りましょう。

分類主な費用
新オフィスの契約保証金・敷金、前家賃、仲介手数料、保証会社利用料
内装・設備レイアウト、間仕切り、照明、空調、消防設備
通信光回線、電話、LAN配線、Wi-Fi
家具・什器デスク、椅子、収納、会議室用品
引越し搬出入、養生、パソコンや複合機の移設
不用品処分家具、書類、OA機器の廃棄
旧オフィス原状回復工事、明け渡しまでの賃料
その他登記、届出、住所変更、案内状

注意したいのが二重家賃です。

新オフィスの賃料が始まっても、旧オフィスの明け渡しが終わるまでは旧契約の賃料が発生する場合があります。

「フリーレントがあるから得」と思っても、共益費や別の費用が発生する契約もあります。

金額だけでなく、開始日と支払条件まで比較してください。

A工事・B工事・C工事の違い

オフィスビルの工事は、一般的にA工事・B工事・C工事に分けて扱われることがあります。

ただし、名称や対象範囲はビルによって異なります。

区分業者を決める人費用負担主な例
A工事オーナー側オーナー側共用部分や建物全体の設備
B工事オーナー側テナント側空調、防災、電気など建物に関係する工事
C工事テナント側テナント側家具、内装、電話・LAN工事など

特に注意したいのがB工事です。

テナントが費用を負担しても、自由に業者を選べない場合があります。そのため、自社で相見積もりを取る工事より高くなる可能性があります。

会議室を作るために間仕切りを追加すると、空調やスプリンクラーの変更が必要になることもあります。

契約前に次のように確認してください。

「予定しているレイアウトでB工事は発生しますか?」

「概算の費用を契約前に確認できますか?」

この2つを聞くだけでも、入居後の予算オーバーを防ぎやすくなるよ!

旧オフィスの原状回復は契約書が基準

事業用賃貸の原状回復では、契約書や特約の内容が重要です。

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は主に賃貸住宅を対象としています。オフィスへそのまま適用できるとは限りません。

事業用物件では、借主の負担で入居前の状態へ戻す特約や、オーナー指定業者による工事が定められている場合があります。

次の点を確認してください。

  • どこまで撤去する必要があるか
  • スケルトン状態まで戻すのか
  • 工事業者を選べるのか
  • 工事完了日と明け渡し日はいつか
  • 見積書の内訳は確認できるか

高いと感じても、契約上の指定業者を勝手に変更できるとは限りません。

ただし、工事範囲や見積もりの内訳を確認することは大切です。

何でも値下げを求めるより「契約上必要な工事なのか」を一つずつ整理する方が現実的だと思うんだよね。

オフィス移転後に必要な主な届出

法人の本店や事業所を移転した場合は、複数の機関で手続きが必要です。

提出先主な手続き期限の目安
法務局本店移転登記原則として移転から2週間以内
税務署異動届出書移転後速やかに
年金事務所適用事業所名称・所在地変更届事実発生から5日以内
労働基準監督署等労働保険名称・所在地等変更届翌日から起算して10日以内
ハローワーク雇用保険事業主事業所各種変更届翌日から起算して10日以内
郵便局転居届移転前の早い時期
自治体・都道府県法人関係の異動届自治体ごとに確認
許認可の行政機関登録住所などの変更業種ごとに確認

本店移転登記の期限は会社法に定められています。移転場所や法人形態によって必要書類が変わるため、法務局や司法書士へ確認してください。

日本年金機構によると、社会保険の所在地変更届は事実発生から5日以内です。日本年金機構の案内

労働保険と雇用保険は、変更翌日から10日以内の手続きが案内されています。ハローワークの案内

日本郵便の転居届は、登録まで3~7営業日かかる場合があります。無料転送は届出日から1年間です。日本郵便の転居・転送サービス

会社によって必要な届出は異なります。

顧問税理士、社会保険労務士、司法書士にも早めに確認してください。

オフィス移転費用を抑える5つの方法

1.旧契約から逆算する

解約予告期間と原状回復期間を先に確認し、二重家賃が長くならないよう計画します。

2.使える家具を先に選別する

すべて買い替えると費用が膨らみます。移転先でも使える机や椅子は早めに分けておきましょう。

3.指定工事と自由に選べる工事を分ける

相見積もりを取れる工事と、オーナー指定業者しか使えない工事を確認します。

4.B工事の概算を契約前に確認する

賃貸条件が良くても、工事費を含めると予算を超える場合があります。

5.廃棄物の量を早めに把握する

不要な家具や書類を直前に処分すると、業者や作業時間を確保できないことがあります。

もっさんとしては、家賃交渉だけに力を入れるより、二重家賃と工事費を管理する方が効果は大きいと思うんだよね。

オフィス移転でよくある質問

オフィス移転は何か月前から準備すればいい?

まず現在の契約書にある解約予告期間を確認してください。

中小規模のオフィスでも6か月程度を見込み、内装工事が多い場合や規模が大きい場合はさらに余裕を持つと安心です。

原状回復業者は自社で選べる?

契約内容によります。

オーナー指定業者が定められている場合は、借主が自由に変更できないことがあります。契約書と工事区分表を確認してください。

新しい物件の契約前に何を確認すべき?

賃貸条件だけでなく、空調、電気容量、通信回線、工事区分、原状回復条件まで確認しましょう。

内装業者や通信会社にも物件を見てもらうと、入居後の失敗を減らせます。

まとめ|契約確認とスケジュール管理が移転成功のポイント

オフィス移転は、単なる引っ越しではありません。

最初に行うべきことは現在の賃貸借契約書の確認です。

特に重要なのは次の5つです。

  • 解約予告期間を確認する
  • 二重家賃を予算へ入れる
  • B工事の範囲と概算を確認する
  • 通信回線を早めに手配する
  • 移転後の届出期限を管理する

新しいオフィスを見ると、内装や立地に気持ちが向きますよね。

でも、旧オフィスの契約と退去条件まで整理して初めて、本当の移転計画が完成します。

一度に全部進めると担当者も大変です。チェックリストを作り、社内と専門業者で役割を分けて進めてください。

この記事が、気持ちよく新しいオフィスをスタートするための助けになればうれしいです!

以上、現役宅建士のもっさんでした!

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