家賃の値上げ通知が突然届くと、
「次の更新から絶対に払わないといけないの?」
「断ったら退去させられるの?」
と不安になりますよね(泣)
先に結論をお伝えすると、通知に書かれた金額をその場で受け入れる必要はありません。
ただし、感情的に拒否したり、通知を無視したり、家賃の支払いを止めたりするのも危険です。
もっさんとしては
「届いた日にすぐサインする」
「納得できないから完全に無視する」
この両方ともおすすめしないんだよね。
まずは値上げの理由と計算根拠を確認し、貸主や管理会社と冷静に話し合いましょう!
この記事では、家賃の値上げ通知が届いたときの対応を、現役宅建士の立場から分かりやすく解説します。
※この記事は一般的な制度を解説するものです。個別の契約や紛争については、弁護士などの専門家へご相談ください。
結論|家賃の値上げ通知が来てもすぐに同意しなくて大丈夫
家賃の値上げ通知が届いたら、次の3点を守ってください。
- その場ですぐに同意しない
- 通知を無視しない
- 家賃の支払いを勝手に止めない
値上げに納得できない場合は、貸主や管理会社へ理由と算定根拠を確認します。
「値上げは絶対に拒否できる」
「貸主から言われたら必ず従う」
どちらも正確ではありません。
家賃が現在の状況に対して妥当なのかを確認し、双方で協議することが基本です。
家賃の値上げが認められる可能性がある理由
借地借家法第32条では、一定の事情によって現在の家賃が不相当になった場合、貸主または借主から将来に向かって家賃の増額や減額を請求できると定められています。
主に考慮されるのは次のような事情です。
- 土地や建物にかかる税金などの負担が変わった
- 土地や建物の価格が変動した
- 物価上昇など経済事情が変化した
- 近隣にある同種物件の家賃と比べて不相当になった
近年は修繕費や保険料、建物の維持管理費なども上昇しています。
貸主側にも、
「今の家賃では建物を維持するのが厳しい」
という事情があるかもしれません。
一方で、借主からすれば毎月の固定費が増える大きな問題です。
不動産の仕事をしていると、どちらにも切実な事情があるんだよね。
だからこそ、最初から相手を悪者にせず値上げの根拠を一つずつ確認することが大切です。
家賃の値上げ率に法律上の上限はある?
家賃の値上げについて
「一度に上げられるのは5%まで」
「10%を超えたら違法」
といった一律の上限は法律で決められていません。
ただし、貸主が希望した金額なら何%でも認められるわけではありません。
現在の家賃、契約の経緯、近隣の家賃相場、建物の状態、税金や経済事情の変化などを総合的に考えて判断されます。
大幅な値上げ通知が届いた場合は、割合だけを見て判断せず、算定根拠を確認しましょう。
家賃の値上げ通知が届いたときの5つの手順
| 手順 | 確認・対応すること |
|---|---|
| 1 | 通知書と賃貸借契約書を読む |
| 2 | 値上げ理由と算定根拠を確認する |
| 3 | 近隣にある似た物件の家賃を調べる |
| 4 | 書面やメールで回答する |
| 5 | 解決しなければ専門窓口へ相談する |
1.通知書と賃貸借契約書を確認する
最初に次の項目を確認します。
- 値上げ後の家賃
- 値上げの開始時期
- 値上げ理由
- 回答期限
- 契約書の家賃改定に関する条項
- 一定期間は増額しない特約の有無
普通借家契約と定期借家契約では、契約の終了や更新に関する扱いも異なります。
契約書を読まずに返事をするのは避けてください。
2.値上げ理由と算定根拠を確認する
通知に「物価上昇のため」としか書かれていない場合は、より具体的な資料を求めても問題ありません。
例えば次のように確認します。
家賃の値上げ通知を受領しました。検討のため、値上げ理由、算定根拠、近隣同種物件との比較資料、適用開始日をご提示いただけますでしょうか。資料を確認したうえで協議を希望します。
喧嘩腰にならず
「判断するために資料を確認したい」
という伝え方がおすすめです。
3.近隣にある似た物件の家賃を確認する
近隣相場を調べるときは、駅名だけで比較しないようにしましょう。
- 駅からの距離
- 築年数
- 専有面積
- 間取り
- 建物構造
- 設備
- 階数
- オートロックなどの条件
これらが近い物件を比較します。
インターネットに掲載されている募集家賃は、実際に契約した家賃と同じとは限りません。
あくまで交渉材料の一つとして使いましょう。
4.書面やメールで回答する
電話だけで話を進めると、あとから認識が食い違うことがあります。
重要な内容はメールや書面に残してください。
値上げ自体は理解できても、希望額を一度に負担するのが難しい場合は、次のような相談方法もあります。
- 値上げ幅を小さくしてもらう
- 段階的に家賃を上げてもらう
- 適用開始時期を遅らせてもらう
- 契約条件全体を含めて話し合う
もちろん、すべて受け入れてもらえるとは限りません。
それでも、いきなり全面拒否するより話がまとまりやすくなる可能性があります。
5.話し合いで解決しない場合は専門家へ相談する
当事者同士で合意できない場合は、弁護士や法テラスなどへ相談しましょう。
簡易裁判所の民事調停を利用し、調停委員を交えて話し合う方法もあります。
裁判所では「賃料増減額」に関する調停申立書も用意されています。
値上げに納得できない間は今までの家賃を払えばいい?
借地借家法第32条第2項では、家賃の増額について協議がまとまらない場合、増額を正当とする裁判が確定するまでは、借主が相当と考える金額を支払えると定められています。
ただし、
「今までの家賃をずっと払えば絶対に問題ない」と単純に考えるのは危険です。
最終的に裁判で値上げが正当だと判断され、確定した家賃が支払っていた金額を上回った場合、不足額に年1割の利息を付けて支払う必要があります。
支払う金額に迷う場合は、自己判断だけで進めず専門家へ相談してください。
貸主が今までの家賃を受け取らない場合
値上げ前の家賃を支払おうとしても、貸主から受け取りを拒否される場合があります。
そのまま放置すると、家賃を支払っていない状態として扱われるおそれがあります。
一定の条件を満たす場合は、法務局へ家賃を預ける「弁済供託」という方法があります。
ただし、供託には成立条件と手続きがあります。
受け取りを拒否されたからといって、すぐ自己流で供託するのは避けてください。
まずは法務局や弁護士へ相談しましょう。
参考:供託Q&A(法務省)
家賃の値上げ通知が来たときに避けたい行動
通知を無視する
返事をせず放置すると、相手との関係が悪化しやすくなります。
納得できない場合でも、
「現在確認中です」
「算定根拠をご提示ください」
と回答しておきましょう。
家賃の支払いを止める
値上げに反対しているからといって、家賃そのものを支払わなくてよいわけではありません。
家賃の滞納は契約解除の問題につながる可能性があります。
支払いを止める行動には気をつけてほしいです。
内容を確認せず同意書へ署名する
一度同意すると、あとから元の家賃へ戻してもらうのが難しくなる可能性があります。
金額、開始時期、契約条件を確認してから判断しましょう。
感情的な言葉で返信する
突然の値上げに納得できず、腹が立つ気持ちも分かります。
毎月の負担が増えるのだから当然ですよね(泣)
ただ、強い言葉で相手を責めても条件が良くなるとは限りません。
もっさんとしては、冷静な文章で資料を求める方が、結果的に自分を守りやすいと思うんだよね。
家賃の値上げを拒否したら退去させられる?
値上げに同意しなかったことだけで、直ちに強制退去になるわけではありません。
ただし、家賃を支払わない、契約違反を続ける、連絡を完全に無視するといった行動は別の問題につながります。
また、契約の種類や期間、更新条件によって状況は変わります。
「断っても絶対に何も起きない」と決めつけず、契約書と個別事情を確認してください。
よくある質問
家賃が10%上がるのは違法ですか?
値上げ率だけで直ちに違法とは判断できません。
法律上の一律の上限はなく、近隣相場や経済事情、これまでの家賃などを総合的に確認します。
値上げは契約更新のときしかできませんか?
必ずしも契約更新時だけとは限りません。
通知の内容、請求時期、契約条項などによって扱いが変わるため、開始時期を確認してください。
値上げを断ったらすぐ退去になりますか?
値上げに同意しないことだけで、直ちに退去させられるとは限りません。
ただし、家賃の支払いを止めたり通知を放置したりするのは避けましょう。
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まとめ|慌てて同意せず、無視もせずに確認しよう
家賃の値上げ通知が届いたら、まず次の順番で対応しましょう。
- 契約書と通知内容を確認する
- 値上げ理由と算定根拠を求める
- 近隣にある似た物件の家賃を調べる
- 書面やメールで話し合う
- 解決しなければ専門家や民事調停を利用する
突然の通知を見ると、
「この家を出なければいけないのかな」
と心配になりますよね。
でも、慌てて署名する必要はありません。
反対に、腹が立ったからといって家賃を止めるのも避けてください。
まずは落ち着いて根拠を確認する。それから自分が納得できる着地点を探していけば大丈夫だよ!



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